「あったか落語ぬくぬく」兼好・鯉昇・市馬 成城ホール 7月30日(火)

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「あったか落語ぬくぬく」、何とも今の季節にそぐわないキャッチコピーの落語会です。汗びっしょりになって辿り着いた成城ホールで更にぬくぬくになるのか!でもこういうへそ曲がり的企画が大好きな小生は、迷う事なくチケット予約してしまいました。

夕刻の成城ホールは夕立前、雲行きが怪しい。そして蒸し暑い。そこに少し早めに到着しました。やがて開場して分厚いチラシの束を受取って、座った席は前から三列目の右半分の席。なかなかいい席です。噺家さんと目が合う席です。

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開口一番は柳亭市助さん。市馬師匠の四番弟子です。泥棒の話から入って、演目は『出来心』でした。結構笑いました。

続いて三遊亭兼好さん。まずは挨拶口上で「あったか落語ぬくぬく」の釈明。冬場ならよいのだが、今は確かに季節にそぐわない。軽妙なギャグを飛ばしながら、何やら色っぽい話になってきた。演目は『宮戸川』でした。
この噺は女が男を追いかける逆ストーカー的な噺で、濡れ場でプチっと話が終わってしまう。初めて聞いた人はきっと満たされない想いが残ります。

なぜ「宮戸川」なのかというと、この噺には続きがあり、そこで宮戸川が出てくるのだが、今そこまで聴かせてくれる事はほとんどありません。いつも濡れ場で話が終わります。兼好さんもそうでした。

そして次が瀧川鯉昇師匠です。「あったか落語ぬくぬく」とはまさにこの人のためのキャッチコピーのようです。兼好さんのリズム感のある調子から、打って変わってこのまったり感は何だ。長〜〜い休憩と思って聞いてくださいですって。

そして入った噺は『蛇含草』。ゆつくりゆったりのペースです。そして餅を食い過ぎて苦しそうな場面も軽目でした。もっともこの演技が真に迫り過ぎると、聴いてる方も気持ち悪くなってしまいます。

仲入りがあって最後が柳亭市馬師匠です。あと一人、宜しくおつきあいお願い致します。その後すぐに本根多で『らくだ』でした。

同じ月に同じ噺を聞くことはよくあるが、今月は『らくだ』月間です。1週間前にも池袋演芸場で、古今亭菊之丞師匠の通しの「らくだ」を聴いたばかりです。でも今日の市馬師匠のはかなり雰囲気が違いました。なぜか明るい屑屋にあまり恐くないらくだの兄ィ。深刻になり過ぎずコミカルな展開です。

市馬師匠のお得意のノドでかんかんのうを唄うのかなとという期待。でもこの噺の展開ではそうはゆかない。大家さんのところでは、屑屋も嫌々唄わなくてはならないのでした。

でも漬物屋から菜漬けの樽をもらってくる場面では、屑屋も少し面白がってるという演出を入れていました。そして酒を飲んで屑屋とらくだの兄ィの立場の逆転の見せ場も、実に明るく演じてたのでした。そこで話が切れました。らくだの死骸を日本一の火屋に運んでゆく場面はありませんでした。

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ハネてから会場の外へ出ると雨。でも降りは弱かったので傘は刺さずに成城学園前駅に向かったのでした。