鈴本演芸場6月下席夜の部 蜃気楼龍玉主任 6月22日(金)

先週に引き続いて今日も鈴本演芸場の夜席です。今日の主任は蜃気楼龍玉師匠です。この人も直接言葉を交わしたことはないが、気になる噺家さんです。圓朝根多など、長講大根多に取り組む芸風を確立しているところに注目しています。

いつものとおり開場時刻の少し前に行くと、既にチケット販売が始まっていて入れるような。その前に龍玉さんの幟の写真を撮っておこうと、風の向きが良くなるのを待っていたら、何と鈴本演芸場のスタッフの人が、幟を撮りやすい角度に開いてくれたのでした。ありがとう!

さてチケットをもぎって入ると、もう既に前の方の席はかなりの入りでした。龍玉さんの応援隊かもしれません。足元の広い席に陣取って待つこと暫し、開演です。

そして開口一番が、古今亭まめ菊さん。先週来た時にちょっと気になった女性の前座でした。何だか春風亭ぴっかりさんの前座の頃の印象と重なって、この人名前は、そして師匠は誰?と気になってたのです。早速今日その高座を見ることができました。

小さくて可愛くて元気かいい、そして喋りは絶好調!!今年3月に前座デビューとは思えない度胸の良さです。始めたのが『子ほめ』なのだが、なぜか会場からの笑いが少ない?いや、観客も笑う前にあっけにとられてるようです。でも何だか微笑ましい。

そんな会場の空気などどこ吹く風で快進撃が続きます。もちろん師匠から教わった通りに演ってるのでしょうが。そして赤ん坊を褒める場面になってようやく観客が笑い始めました。ようやく女の子がガラっ八を演ずる違和感が解けて来たようです。

最近女性の落語家が増えて、それぞれ個性を発揮して活躍していますが、前座の初対面の高座で強烈な印象を受けたのは久しぶりです。思い出せば立川こはるさん、春風亭ぴっかりさん(当時は春風亭ぽっぽ)、そして今日の古今亭まめ菊さん。もう顔と名前は忘れません。しっかり脳裏に焼き付きました。ちなみに師匠は古今亭菊之丞師匠だそうです。

続いて古今亭始さん。またまたこの人も出て来て早々絶好調を受け継いでます。そして歌舞伎や落語の褒め言葉、掛け声。そして花火の話から『たがや』が始まりました。でもマクラで花火が隅田川に落ちるまでの「たまや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」が長過ぎた。そして侍の首が飛ぶサゲまで、一気に駆け抜けてゆきました。

次が鏡見仙三郎社中の太神楽。二席続いた絶好調の熱冷ましと言うべきか。傘回し、五階茶碗、土瓶回し、笠の取り分け、会場の中から感嘆の声が上がってたのでした。でもこの社中はなかなか元気ですね。

続いて桂三木助さん。マクラは知ったかぶりの話から、『転失気』に入りました。次から次と出てくる芸人さんを見ながら一息という感覚です。でも最初っから最後まで絶好調だったら、聞く方も疲れてしまいます。

そして今日出演の演者の一門の大御所、五街道雲助師匠です。トリの蜃気楼龍玉さんも雲助師匠のお弟子さんです。この一門は古典の大根多で鳴らしていますが、まだ前半の上がりなので軽く泥棒の話でした。演目は『夏どろ』でした。

それからアサダ二世さん。出囃子がいつもの演技中のかったるいお囃子。でもかったるい調子ではなく、今はは普通です。そして「今日はちゃんとやります」から始まりました。先週も見たのだが、やはり同じ演目といっても、微妙に毎日変えてるようですね。そして今日は最前列のお客さんをかなりいじり回していました。そのお客さんも一緒にヨタを飛ばして楽しんでいたようです。

続いては五明楼玉の輔師匠です。久しぶりにお目にかかりました。今日は創作根多で、ガンの告知に関する話。調べたら山崎豊子の小説「白い巨塔」の主人公、「財前五郎」そのまま演題にしてしまった話のようです。

そして仲入り前は隅田川馬石師匠です。この人は大山詣り根多のデータ提供などで酒を酌み交わしたこともある人で、あちこちの席で出会います。そして今日は弟弟子のトリのために、その露払いというところでしょうか。でも仲入り前は少し持ち時間も長いようで、『粗忽の釘』をゆったり目に聴かせてくれました。粗忽男に呆れて天を仰ぐ仕草が何とも言えなかった。

そして仲入り。いつしか鈴本演芸場では仲入り後の開演前に前座が出て来て、上演中のマナーのお願い。携帯スマホタブレットは電源を切ってください。写真撮影や録音はお断り、トリの龍玉さんの演技中は出入り止め、などなど。それを今日はあのまめ菊さんが担当していました。

まめ菊さん、何だか楽しそうに喋ってます。また舞台に出て来ての高座返しやめくりの時も、楽しそうなのです。この人本当に根っからの天然採れたて落語大好き娘なんですね。

幕が開いてホンキートンクの登場、先週も見るはずだったのが、体調悪く休演でした。もう治ったのかな。でもそんな心配を吹き飛ばすような、これまた絶好調。安心しました。

次が春風亭百栄師匠です。ももえです。でも山口ではありません、春風亭百栄です。ビートルズを彷彿させるマッシュルームカットも健在でした。そして今日の噺は創作で寿司屋の話、調べたら『寿司屋水滸伝』だそうです。ちょっと客に考えさせるくすぐりが多いですね。

そろそろトリの龍玉さんが気になって来ましたが、それまでにもう一人、紙切りの林家二楽さん、久しぶりに見ました。高座のスタイルは正楽師匠に準じていますが、一題一題少し時間をかけて丁寧に切ってるようにも見受けられます。今日は「桃太郎」「花嫁のブーケトス」「ドンキホーテ」の三題でした。

そして「待ってました」とばかりに、蜃気楼龍玉師匠の登場です。マクラも少なく話し始めたのは『牡丹灯籠』でした。もちろん寄席のトリでも話切れるものではないほどに長い噺。新三郎がお露の幽霊に取り殺されてしまった後の、伴蔵とおみつの『栗橋宿』の場面でした。下席は昨日21日から始まったので、ことによると昨日は「お札はがし」を演ったのかな。

ずっと笑い通しだった客席も、トリ根多になってすっかり空気が変わりました。客席は龍玉さんの話に静かに聴き入っています。笑いの場面はほとんどありません。最後に幸手堤の土手下で、伴蔵が女房おみつを殺害する場面まで演じて、今日の高座は終わりました。

後ろに座ってた女性が、ずっと聞いていたい、と話してた。落語は笑いだけではない、しっとりと聴かせるのもまた芸のうち。特に圓朝ものは西洋の演劇やオペラにも通ずるドラマ性が聴かせどころなのでした。

これを書いている今日も鈴本演芸場下席夜の部では同じ番組を上演している。根多出ししてないので分からないが、今日は何を演るのかな。

「鈴本演芸場6月下席夜の部 蜃気楼龍玉主任 6月22日(金)」への2件のフィードバック

  1. 漫才コンビ名は「トンキーホンク」ではなく「ホンキートンク」です。前の記事でも同じ表記でしたが、ひょっとしてギャグかな?と思いスルーしました。

    1. ご指摘ありがとうございます。
      ギャグではありません、筆者の思い違いでした。

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