鈴本演芸場6月上席夜の部 桃月庵白酒主任 6月10日(月)

好天気高気温だった5月から一転梅雨入りした東京。今日は肌寒く雨が降る降る風も吹く。こんな日に好き好んで鈴本へ落語を聴きにゆきました。今日のトリは贔屓の桃月庵白酒師匠です。

この人最近ずいぶん人気が上がってきましたが、平日夜でこの悪天候でどれだけ客を呼び込めるのかな。そんな心配をしながら開場直後に入場しました。

いや、心配ご無用開演前から結構入っています。そのうちに開演となりました。そして開口一番は桃月庵あられさんですって。名前を見れば白酒師匠のお弟子さんであることは明白なのだが、何番弟子なのかな?何人もいるようで賑やかですね。

あられさん、調べると2017年8月入門で2019年1月前座デビュー、三番弟子とありました。まだ本当にほやほやなんですね。そして名前も桃の節句シリーズ。でもこの人前職がありそうです。そんなに若くはなさそう。鳥山明さんのあられちゃんとは全然イメージが違う。それにしても声がでかい!演目は『道灌』でした。

そして高座返しに出てきた女性の前座が気になりました。誰かな?ようやくわかりました。林家彦いち師匠のお弟子さんでひこうきという名前だそうな、その後も最後まで高座返しと、仲入り後幕開き前の注意事項説明を朗読していました。

続いては白酒師匠の一番弟子のこはくさん。最近二つ目になって、名前もはまぐりからこはくになったとのこと。登場したらいきなり会場から「待ってました頑張れ!」という大声。結構贔屓筋が来てるようです。この雨の中を。そして演目は『たらちね』。

あとひしもちという二番弟子がいるはずなのだが、今日は見ませんでした。調べたら5月に二つ目になりたてで、名前も白浪となっていました。

次ははダーク広和さんの手品。赤いジャケットで出てきて軽ーい手品です。緑と黄色の紐、赤と白の紐。これをいろいろ細工しながら五輪の輪を出してみたりとか。でもこの人はいつ見ても新根多を見せてくれます。

そして再び落語で、柳亭こみちさん。久しぶりに見ます。この人は前座の頃から見てましたが、芸歴を重ねるにつれて風格が感じられるようになってきました。演目は『熊の皮』でした。

続いては柳亭市馬師匠。大御所の登場です。でも今日のような早い上がりでは持ち時間も短く大根多はありません。演目は『狸賽』でした。市馬師匠をじっくり観るのは次の機会ですね。

次が林家楽一さんの紙切り。以前は紙切り芸人と言えば、先々代の林家正楽師を想い出してしまいますが当時は一人だけ、オンリーワンの世界でした。現在は5人か6人いるそうです。そういう意味で絶滅危惧種ではなく種族繁栄と言うべきか。

いつもの客席からのお題拝借。「あじさい」「梅雨入り」「韋駄天」「連獅子」など。今日は客席の乗りはいいのだが、なぜか紙切りのリクエストは静かでした。あっ、この人も言ってました。紙切り芸人にとってやりにくいお題というのは、沢山の個体を切らなくてはいけないもの。「101匹わんちゃん」「千羽鶴」「千手観音」・・・・

続いては春風亭百栄師匠。持ち時間は少ないはずなのにマクラが長い。そのマクラのテーマは10年に一人・・・。そして寄席に来てください。で、本根多はと心配したら短い創作根多で、コンビニ強盗の話でした。

そして仲入り前は古今亭文菊師匠です。高座に出てくるその歩き方がちょっと変??気取ってるとも何ともつかない、上下動の大きな歩き方。以前柳家三三師匠がこんな歩き方で出てきてたが、もっと極端です。そして語り始めたその調子も変?文菊師匠は正統派古典落語というイメージがあったのだが、それを壊そうというのかな?

確かに落語ブームの今、中堅真打は沢山輩出されて、特徴がなければいくら上手くても埋もれてしまいます。厳しい競争社会だな、なんて想像したのだが、この客席からの無責任な観測が当たってるかどうかはわかりません。今日の演目は『そば清』でした。この噺の主役の清兵衛さんの「ど〜〜〜〜も」もかなり誇張気味でした。そしてそのサゲは、客もボーッと聞いていたらわからない考え落ちでした。

そして仲入り。前座のひこうきさんの注意事項の朗読が終わって再び幕が開き、ホームランの漫才です。最近鈴本に足を運ぶと必ずと言っていいほど出てきます。

いつもテーマは無題、聞き終わると頭の中は空っぽになります。でも寄席ってそれでいいんですよね。少なくとも知識教養人格を高める場ではありませんから。

続いて古今亭菊之丞師匠です。そう言えば昨晩の大河ドラマ「韋駄天」に出るということで見ていたのだが、ちょっと用足しに行ってる間に出てしまったようです。残念。ご本人から視聴率が落ちてたとの自虐的な言葉が出たので、自分が用足し行ったのが原因だったかと、責任を感じたのでした。

それはともあれ演目は『片棒』、とは言ってもこれをまともに演ってると持ち時間が足りないはず。この話の一番賑やかな次男の祭りの場面だけで終わってしまいました。この人もじっくり聴くのは次の機会です。

そしてトリ前の彩りで、柳家小菊姐さん。「おてもやん」似の唄で始まり、大作「かえる」と「へび」と「なめくじ」の三部作を披露。あとは「さのさ」に「品川甚句」で終わりました。

どうも仲入り後は時間が押してるようで、次々と短めに終わってる感があります。それとも楽屋の立前座の時間管理が厳しいのかな???

最後のお目当、トリの桃月庵白酒師匠が出てきました。客席を見渡すと概ね席が埋まったように見える。でもその間に空いてる席もあるはずだから、6割7割位は埋まってるということか。いつもは客の入りの少ない平日夜、そして悪天候でもこの結果です。やはり白酒師匠の観客吸引力が上がってるということの証か。

あまり長いマクラは振りません。入った話は若旦那の恋煩い。「崇徳院」?「紺屋高尾」?ではない『幾世餅』」でした。若旦那とは、搗き米屋の若旦那だったのでした。これは古今亭の根多で、白酒さんもそのルーツを辿れば古今亭ですよね。恋煩い根多とはいいながら結構慌ただしい。清蔵さんの恋い焦がれる3年間がドタバタと落ち着きなく、あっという間に過ぎてゆきました。

この噺には現代のマーケティングに通ずるテーマがあります。それはエピソードで物を売るという発想。確かに見栄っ張りの江戸っ子が幾世大夫の名声に憧れて、幾世餅を先を争って買ったという心理が理解できます。

そしてハネた時に時計を見たら20時40分。仲入りの時にひこうきさんが予告した終演時刻ピッタリでした。今日は上席10日間の千秋楽です。きっと出演した芸人さんたちを待ってるのは楽しい打ち上げでしょうね。外は相変わらず雨がかなり本降り状態でした。

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