鈴本演芸場11月上席夜の部 台所おさん主任 11月2日(金)

寄席の番付を見るときに、いつもチェックするのは誰がトリを務めるのか。そこで真打になってそんなに時間も経っていない、そして有力な若手の名前が出てくると行ってみたくなるのでした。

台所おさん師匠は、二つ目で台所鬼〆を名乗ってた時から、注目にしていました。まずは一度聞いたら絶対忘れないその高座名。名前もユニークだがその芸風はさらにユニーク。そんな台所おさんさんです。早や季節も11月を回り、夕暮れも早くなってきました。

17時開場の鈴本演芸場に着いたら、もう薄暗くなっています。チケットをもぎって中に入って、さてどのくらいの客入りなのかな。やはりおさんさんもまだテレビに出ることもないので、なかなか厳しいようです。

      

やがて開演で開口一番は、あれっ子供が出てきた、と思わせる童顔。林家やまびこさんでした。調べたら林家彦いち師匠のお弟子さんとのことです。演目は『子ほめ』でした。結高持ち時間長かったですね。

続いては柳家圭花さん。柳家花緑師匠の門下です。今日のトリのおさん師匠もそうなので、今日は花緑門下がたくさん出てきます。名前が圭花なんというので、女の子かなとおもってたら男でした。

そして演目が『狸の恩返し』なのですが、いつもの札に化けるのではありません。茶釜に化けて寺の和尚さんの茶の伴になったのでした。あまり聞くことのない噺でした。

次が丸一仙三郎社中の江戸太神楽で、仙三郎師匠と仙成さん仙四郎さんの3人で出てきました。そして演目は仙四郎さんの傘回し、仙成さんの五階茶碗、そして吉右衛門ではない仙三郎さんの土瓶回し、最後は花笠と撥の取り分けで締めてました。

そして柳家緑助さん。二つ目になったばかりで今日は2回目の高座とのこと。世界が変わったと言っている。聞くところによれば噺家さんにとって一番変化を感じるのは二つ目になった時ということですが、客目線ではその変化はあまりわかりません。せいぜい羽織を着始めたなということ程です。

でも考えてみれば、前座修業でコキつかわれていた環境から解放されるのだから確かに大違いなんでしょうね。逆に仕事は自分で取ってこなくてはならない。自己責任の世界に入るのでした。緑助さん、今日の演目は『たらちね』でした。

続いて柳家甚語楼師匠。何だか苦玉を噛み潰したような顔で出てきました。そして演目は『粗忽長屋』でした。まさに落語らしい落語ですね。

次がダーク広和さんの手品。今日は会場が余裕たっぷりでやりやすい?そうなんですちょっと寂しい。でもなんだか乗りのいい客が若干名いるようです。そして見せてくれたのがはめ絵パズルのような手品。初めて見ました。

そして柳家勧之助さん。この人も花緑門下で、真打になる前は花ん謝と名乗ってましたね。何だか歌舞伎役者のような風貌で、だから勧之助なんという高座名をもらったのかな?演目は『熊の皮』でした。

そして仲入り前は春風亭一朝師匠。お古いところで吉原の話。そこにゆくためには駕籠をあつらえて通るのが物騒な追い剥ぎの出る蔵前通りということで、『蔵前駕籠』でした。

仲入りがあってホンキートンクの漫才です。それにしてもこのところ、この二人にはよく出会います。今乗ってますね。出てくるなり、乗りの良い客から「待ってました」の掛け声を受けて。絶好調です。しばしのドタバタを見せてもらいました。

次が三遊亭白鳥師匠。「白鳥の湖」の出囃子に乗って、黒と赤のツートンカラーの羽織に白鳥の紋の出で立ちで登場。白鳥ワールドに入りました。でもマクラでおさんさんへのエール。初めてのトリというのは大変緊張するということで、今楽屋で固まってるということです。

そして今日の話は創作で、お馬鹿な看護士みどりちゃんと患者の吉田さんの話、調べたら『ナースコール』という演題でした。

続いてトリの前のヒザは林家二楽さんの紙切り。まず「桃太郎」でご機嫌伺い。あとは会場からのお題に答えて「職務質問」、「猫と鶏」でした。時間が迫ってるようで、この三題で終わりました。

そしてトリは台所おさん師匠の登場です。またしても乗りのいい客から「待ってました!」「たっぷり!」。でも確かに緊張しているようなのです。この緊張が解けて仕草全開の熱演が見られるかな。

昨日が初日で、本当に初めてのトリ。どうも何か失敗があったようです。でもこれから10日まで続けるうちに自分を取り戻してくるのでしょう。

少し長いマクラから、京都へ話が飛ぶ。「祇園祭」かなと思ってたら『愛宕山』でした。でもこれまで聞いてきた『愛宕山』とは随分味付けが違います。黒門町の桂文楽師の流れとも違う、だからと言って桂米朝師匠の流儀とも違う。独特の味付けなのです。

また幇間の一八のお調子もあまり出てこない。それでも話が進むうちに仕草いっぱい、座布団からはみ出るほどに熱が入ってきました。でもやはり以前見たおさん師匠本来のハチャメチャには戻ってないようです。千穐楽前にもう一度見てみたいな。なんて感覚で見ているうちに、一八さん崖下から戻って、30両は忘れてきました。

帰り時の出入り口の櫓では、いつものとおり前座が追い出し太鼓を叩いていました。でもいつも違ったのは通りすがりの人が足を止めて、写メをパチパチやってたのでした。

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