第63回むぎんぼう寄席 夢吟坊三宿本店 7月10日(火)

久しぶりのむぎんぼう寄席、今日は主催者の笑福亭笑助さんが山形から帰ってきている日です。久しぶりとはいうものの、実は5月のに参加するつもりだったのが、仕事の関係の飲み会に誘われてパスしてしまいました。ところがその日に笑福亭鶴瓶師匠がサプライズ参加してたのです。う〜ん残念、と地団駄踏みました。

今日こそはと思って夢吟坊に来ましたが、残念ながら前回のサプライズはなさそうです。代わりと言ったら失礼になりますが、今日は三遊亭圓丸師匠が招待されていました。いつもは若手がゲスト参加するのだが、今日はお古い師匠に来てもらってるんですね。さて何を聴かせてくれるのかとチラシを見たが、今日は根多出しはありませんでした。

少し遅めに着いたのですぐに開演です。まずは笑助さんの一席目、山形の夏の風物詩から始まりました。いえ、花笠音頭ではありません、蚊戦ってぇか、とにかく虫が多いそうです。アパートの階段、きっと外階段でしょう。蜘蛛の巣を避けるため阿波踊りスタイルで下りていく。

そんな話です。でも蒸し暑さは東京にも劣らないようです。そんな楽しい山形ライフ存分に楽しみつつ4年が過ぎ、今年秋に次の人に譲って山形を離れるそうです。

そして夏の食べ物は鰻。始まったのが『うなぎや』でした。笑助さんが演じるから当然上方版の「うなぎや」でしたが、筋書きは江戸版と同じです。

でも今や鰻は高嶺の花。日本鰻は絶滅危惧種と聞いてるので、そんな鰻を食べること自体に後ろめたさを感じる今日この頃。この噺を聴くのも、笑いながらもちょっと複雑な気持ちになりました。

さて続いて今日の客演の三遊亭圓丸師匠です。この人は落語芸術協会なので、これまであまり聴く機会がありませんでした。でも新宿末廣亭とか池袋演芸場などでよくトリをとってるので、今度はこの人目当てでゆかなくっちゃ。

高座に上がって見えた風景は、最前列の席に誰も座ってない。それにしてもいつもは最前列ど真ん中に陣取る人が必ずいたのに、今日はなぜかいないのです。でも後ろ半分はほぼ埋まっている。客席から見ていてもちょっと奇妙な雰囲気です。

そんな雰囲気を睨みながら、続いても夏の噺です。仲むつましい夫婦のかみさんが病でこの先がない。『三年目』でした。しっとりと聴かせてくれる噺です。

見ると客席の同じ列の反対側に小さな女の子と一緒に来ているお母さん。子供も一生懸命聞いてるが、悋気の話、わかるかなぁ?圓丸師匠もちょっと気になってるようです。でもたっぷり聴かせてくれました。

仲入りがあって再び笑助さんの登場です。いつもはここで笑助手拭い争奪のジャンケンが始まるが、持って上がって来たのは、なんと洗剤のスプレーボトルです。そのラベルには笑助さんの似顔が書いてあり、その名は「落クリン」。ラックリンと読むそうで、そのキャッチコピーは、「落語も洗剤もオチが肝心」。何でも山形で親しくなって、笑助さんの活動に協賛してくれている会社の取り扱い製品に、こんな洒落を組み込んだそうです。きっと本当によく落ちるんでしょうね。

そして始まったのがやはり夏の噺。植木屋さん、といえば『青菜』、もちろん上方版の「青菜」です。でも微妙に江戸版とは味付けが違います。江戸は醤油味、上方は塩味、こんな違いか。

ここで出てくる酒が「柳蔭(やなぎかげ)」、上方ではこれだけで通るのだが、江戸では「本直し」と呼んだそうです。そのためか江戸版では植木屋さんが飲んでから、これは「直し」ですねと聞き返している。

調べて見ると焼酎と味醂を半々に割った酒で、夏に冷やして飲んだとあります。聞いただけで甘ったるそうで、酒通にはどんなものかなと疑問が湧くのだが、酔狂な酒蔵が復活販売していました。もう売り切れのようだが落語ファンなら一度やって見たい。ならば今流行の黒霧島と本味醂を混ぜたらどうなるかな。てな塩梅で義経に先おこされ、弁慶が出て来て終わりました。

この落語会の一つの特徴は後払い。木戸銭の額は決めずに観客各々の心尽くし次第なのです。これじゃあ儲からないだろうなと思いつつも、封筒に入れて受付に渡したのでした。そういえば一度、財布を忘れてその木戸銭すら出せなかったことがありました。あとで埋め合わせはしたのですが。

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