笑福亭笑助独演会2015「山形のススメ」なかの芸能小劇場 5月30日(土)

0530shousuke01贔屓の笑福亭笑助さんの独演会、会場はなかの芸能小劇場です。100名程度の小さなホールでの渾身の独演会です。そしてテーマは何と言っても山形。すっかり山形の広告塔になっている笑助さんがあります。でも悩みは「誰も遊びに来てくれへん。遊びに来てや〜!」だそうです。

そんな宣伝も兼ねてでしょうが、今日のゲストは何と、今や人気絶頂の柳家喬太郎師匠です。そうです今日はこの小劇場で、至近距離でキョンキョンが見れるのです。

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とにかく面白そう、そんな期待で開演を待つことしきり。幕が開いて開口一番は三遊亭楽しいさん。おっと、「たのしい」ではなく「らっしい」と読むそうで、この人師匠は笑点で紫の着物を着ている人、三遊亭圓楽師匠だったんです。五代目圓楽一門の師匠方には、弟子にけったいな名前をつける人が若干名おられるようですね。

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楽しいさん、そんなに若くはなさそうです、それなりの覚悟を決めて入門したのでしょうか。演目は『元犬』でした。
終わってから楽しいさん、高座に見台、膝隠し、小拍子を置いて下りて行きましたが、上方の小道具、あまり扱い慣れてないようでした。

続いて笑助さんの登場。まさに満を持しての登場です。出囃子は「花笠音頭」、根多出し演目は『山形のススメ』です。山形駐留が決まってから宣伝落語を作ろうと決めていたようです。そして山形県の観光協会からも使者が来ていました。それが「キテケロ君」というゆるキャラです。付き添いの女性の介助を受けながら舞台に上がってきました。どうやらほとんど前が見えず、介助なしには歩けないのかもしれません。

一瞥して想像するのはモアイですが、それは違います。だだ茶豆?それも違うようでした。帽子をかぶってて脇にさくらんぼが付いています。いずれにせよ山形名物を宣伝するための長〜い頭。0.5頭身で愛嬌満点でした。

本根多では山形名物オンパレードです。蔵王から始まる風景名所、温泉、食べ物、季節の催し物などなど。時々他の県のものが出てきて窘められる展開です。きっと山形県の観光パンフレットを見ながら聴くと面白そうです。

でもこれは観光スピーチではありません、落語です。落語らしいストーリーとサゲが必要です。それも用意してありました。

仲入りがあって登場したのがゲストの柳家喬太郎師匠です。一頃に比べてずいぶんダイエットしたようで、はちきれそうな腹周りではなくなってました。しかしちょっと声が調子良くなさそうです。

やはりマクラでは山形によいしょして、さらに地方へ行く時の話。そこから始まったのが、蕎麦好きの登場する噺。どうやら『蕎麦清』のようです。話しが佳境に入った時、外では救急車のサイレンの音、でもその直後に来ました。ゆっくり揺さぶられるような地震の揺れ。どこか遠隔地で大きなのがあったかもしれません。そこで喬太郎師匠の落語が止まりました。

すぐに緊急対策モードに切り替わって、観客を落ち着かせるアドリブトークに入りました。そして笑助さんも舞台に上がって対応。でもみんな落ち着いた構えで、揺れの収まるのを待ちました。それにしてもこういうときの噺家さんのアドリブ対応も芸の内なんですね。

そして10分後に落語が再開しました。またまた「蕎麦清」の世界です。きっとJRはまだ運転再開してないんだろうな。そして無事「蕎麦が羽織を着ていた」で締めくくられました。

最後が笑助さんの二席目、根多出し演目は『口入屋』です。笑助さんの生まれ故郷の「河内音頭」の出囃子で上がってきました。ようやく山形から脱出して、今度はコテコテの上方に戻ってます。

そもそも口入屋と言っても今の人にはわからない、要するにハローワーク。職業紹介所です。そしてこの噺の中身は夜這いということでした。

江戸落語で夜這いと言えば『引越しの夢』。ことによると同じ噺の上方版?そんな興味で聴いてゆくと、いつも別嬪ではない女中ばかり紹介している船場の商家にとびきり別嬪の女中を口入したところから、それを目がけて一番番頭、二番番頭・・次々に夜這いを仕掛ける。

二番番頭が台所から女中部屋に忍び込もうとして膳棚が落ちてきて左肩で支える。続いて一番番頭も同じことをしようとして、膳棚の反対側を右肩で支える。そこの経緯までの間に、船場の商家の内部の造りの話もちょっぴり。

さらに別の店子が天窓の引き綱を引いて井戸に落ちて、その綱ににぶる下がる。江戸の『引越しの夢』よりも手が込んでいました。

そしてサゲは「宿替え」の夢。やはり『引越しの夢』の上方版だったが、その筋書きはかなり異なっていました。江戸版では、この演題の「口入屋」は出てこないのでした。

ハプニングがいっぱいの今日の笑助さんの独演会でしたが、地震にもくじけず無事終了しました。しかしそれから帰りが大変。中野駅で発車待ち、東中野で再び発車待ち、ようやく新宿にたどり着いたのでした。でもその時、まだ山手線は止まっていました。
あとでわかったのが震源地が小笠原で、震源の深さが680kmでM8.1。やっぱり遠くで大きいのが発生していたのでした。

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