立川こはる せたがやふれあい落語会 せたじんふれあいホール 3月11日(土)

今日はあの東日本大震災の日、あの未曾有の大災害から6年経ってしまいました。そんな日に世田谷区の中心、代官屋敷の正面の世田谷信用金庫本店の一角の、せたじんふれあいホールを訪れました。ここで立川こはるさんの落語会があるのです。

立川こはるさんはあの立川談春師匠の一番弟子。入門してしばらく、談志師匠から女であることを気づかれなかったというエピソードがあります。でも隠してたわけでもない、「女の子でーす」と言って高座に登場したこともありました。また仲良しの春風亭ぴっかりさんとの二人会も、キラキラ輝くものがあります。

そんなこはるさんを応援しているのが、世田谷信金の落語研究会なのです。今日はこの落語研究会の天狗連達との共演でした。それにしても大学の落研は沢山ありますが、企業内落研というのは珍しい存在ですね。

今日は三月の中旬で、天気はもやーっとした晴天。こんな日は花粉が沢山飛んでやりきれないのだが、こはるさん目当ての一心でやってきました。ボロ市通り前ではその天狗連の一人の人がせたしんの緑色の半纏を着て呼び込みをしていました。そして会場へ入るとおなじみのせたが家志ん金さんが準備万端迎えてくれました。

待つこと暫しで開演。もう会場は9割かた埋まっています。そして前座の出囃子が鳴って登場したのがせたが家志ん金さんです。開口一番の演目は『猫と金魚』略して「猫金」。短く馬鹿馬鹿しい噺でウォーミングアップというところでしょうか。

続いて出てきたのがさぎ草亭桃介さん。この人は女の子の天狗連ですが、その実力は侮れません。こはるさんみたいにガラッパチの男の役をしっかり演じてくれるのです。今日の演目は『転宅』でしたが、そこに出てくる間抜けな泥棒の演技が何とも言えないものがありました。

そして立川こはるさんの登場です。今日唯一のプロの芸人さんです。不思議なのはこの人、前座の期間が6年半ということで、普通より長いのです。その前座の頃北澤八幡の立川談四楼師匠の独演会にいつも出演していたが、この人は必ず出てくるという実感をもって聴いていたのです。ようやく今はその期待通りの活躍です。

こはるさん、今日の演目は『長屋の花見』。そうですもう三月なのです。寒い寒いと言ってた気候もいつのまにか春の予感。あと二週間もすれば桜の季節になります。この噺は今の時期、季節を先取りしてあちこちで高座に掛けられてるのでしょう。酒もどきの番茶を薄めたおちゃけに酒柱が立った。ほかほかした陽気の気分で、気持ちも夢心地になってきたのでした。

仲入りがあって六本木つよしさんの手品。今日はカードの手品が2題。そして最後が手の中から紙吹雪で舞台と高座が、ハラハラと散った花びらのごとく。さてこれをどう片付けるのかなと思ったら、大きな紙屑は取り去ったが花びらはそのまま。次のこはるさんはその花びらの中での高座になりました。

演目は『薮入り』です。今は成人の日になっている1月15日は、昔は薮入りの日。旧暦では2月なので、ちょっと季節が逆戻りしました。

この噺は三代目金馬のを聞いてきたが現代感覚からするといささか理解しづらい。そもそも子供を奉公に出すなんという時代に生きてた人はもういないでしょう。

しかし子供を想う親馬鹿は時代を超えた共通課題です。それを極度に誇張したのがこの噺。時代が違ってもどこか共感できる。それをこはるさん、実感味たっぶりと演じてくれました。

ここでハネて外のボロ市通りに出ましたが、まだ外は明るい。ずいぶん日が長くなりました。

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