秋の「大山火祭薪能」大山阿夫利神社社務局能楽堂 10月6日(火)

1006ooyamanou01今日は3年ぶりの「大山火祭薪能」です。先月富山の風の盆の屋外公演で雨に降られて、酷い目に遭ったので、今日は晴れていたにもかかわらず、雨の用意としてポンチョを持って行ったのです。でもこれが思いがけず役に立ってしまいました。

観客席は阿夫利神社社務局の前の広場で、もちろん屋根なんてありません。土砂降りでも公演は行われます。でも今日の問題は雨ではなく寒さでした。

15時開場16時開演ということだったので、余裕を持って伊勢原に到着。10月はイベント月間で、この大山火祭もさることながら、17日、18日には「道灌まつり」もあります。町中がその準備に専念しているという雰囲気でした。

そんな駅前から「大山火祭薪能」に合わせた臨時バスに乗って、大山阿夫利神社社務所へ向かいました。秋の日暮れは早いので、もう日も傾き、風も冷たくなってきました。受付でチケットをもぎって席に着くと、そこは正面の真ん中の席です。前の人の頭が邪魔にさえならなければ最上の席です。

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やがて16時、開演時刻になりました。まずは大山狂言座の狂言『呼声』から始まりました。調べたら大山における能狂言保存団体で、座長の石井信也氏はPTA会長ということです。その石井氏が主人役です。

勝手に出て行った太郎冠者を誘い出すために、平家節、小唄節などを次々に繰り出すところが笑いどころでした。

そのあとに主催者挨拶、伊勢原市副市長の挨拶があり、続いて火祭の神事です。「修祓の儀」、会場広場の右端の方に祭壇が設えられて祝詞があがりました。その後に神火入場と火入れです。

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お巫女さんが持ってきた松明を受けて目黒宮司が自ら火を入れる。いよいよ薪能らしい雰囲気になってきました。しかしそれにつれて風が冷たくなり、じっとしているのも辛くなり始めました。秋の薪能に寒さはつきものです。そして右手を見ると、願い事の託されたお札が威勢良く焚き上げられています。

続いて剣義ということで、舞台の上では弓矢を持った武者役が矢を放つ。また剣の舞を行うということで、神事が続きます。

その後に最初の演目『一人翁』が始まりました。しかしパンフレットにはその解説が載ってない。これは神事の色彩の強い特別な演目です。翁面を冠った演者ともう一人の面持ちという演者。向かって左に座ると、右側には目黒宮司をはじめとする、神社側の要職者が座りました。そして舞を奉納したのでした。

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その後は仕舞い二席、『道灌』『網之段』。そしてようやく狂言の『伊文字』が始まりました。
主人の妻乞いに付き合う太郎冠者が、霊夢を受けて行った場所に立っていた女。居場所を訪ねると歌を返して消えてしまった。その歌のいの後の国名を忘れてさあ大変。

通行人に訪ねると、伊与、伊賀、伊勢・・・最後に「伊勢の国伊勢寺本に住むぞわらわは」と当ててもらったのでした。

ここには大蔵流の人間国宝の狂言師の山本東次郎師が女と通行人の一人二役を演じていました。調べるとこれは大蔵流の流儀のようです。また山本師はかなりお歳と思ったが、軽妙な足の運びを見るにつけ、狂言師の表現力は歳を取っても衰えないものを感じました。以前観た野村万作師もそうだった。

そして最後が能の『野守』。ここには観世流宗家の観世清和師が、野守の老人と鬼神を舞います。
いよいよ寒くなってきた。またこの公演では休憩時間がありません。ここでも続けて舞台中央には作り物がおかれました。これは鬼神の住む塚に見立てているのでしょうか。

この演目は前半が老人後半が鬼神ということで、途中に衣装替えが行われます。そのためにシテ役が中で着替えるためのものも兼ねていました。

寒いためか休憩がないためか、会場はざわざわしている。とにかく寒いのでここで雨の備えとして持ってきたボンチョを広げて着てしまいました。やがて落ち着いてくると場内に演者の声とお囃子のが響き渡る。そして虫の音が更けゆく秋の夜を演出してくれています。

前半は出羽羽黒山の山伏が、大和国に赴いて老人に尋ねごとをすると、この池水は、我ら野守が姿を映す「野守の鏡」。そして本当の「野守の鏡」は鬼神の持つ鏡という。

その鏡見たさに鬼神の住む塚に祈っていると、鬼神が丸い鏡を持って現れて、東西南北天上界地獄界全ての方向を映し出して、その鏡の威力を誇示する。そして最後は大地を踏み破って、奈落の底へと帰って行ったのです。能の演目としてはそれほど長いものではありませんでした。

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さて終わってからがまた大変。伊勢原駅までのバスの乗車待ちがあります。すぐに荷物を持ってバス停向けて小走り。でももう1台分位の待ちが出来ていました。

この公演のために臨時便が出て、並んでいるとすぐにやってきました。もちろん社務所前から満席で積み残しも延々。のんびり構えていたらいつになってら伊勢原にたどり着けるのかわからないという塩梅でした。

考えてもたら周囲に駐車場も沢山あったので、クルマでくるのが正解だったのかなという印象でした。ともあれ待たされることなく伊勢原駅に到着し、ひとまず安心ということでした。

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