柳家松太郎独演会 切り絵と漫談 大倉山記念館 5月28日(日)

最近世田谷区の地域活動にユニークな仲間が参加してきました。それは柳家松太郎師匠、落語もできる切り絵師です。その松太郎師匠の独演会に行きました。最近落語を聴くために東京都内から外れることがめっきり少なくなったが、今日は横浜です。

それも大倉山という、東急東横線の急行も停まらない駅から歩いて7分。普段立ち寄ることもない場所でした。しかしそこに大倉山記念館という、何やら歴史的な由緒のある建築物があり。今日の独演会の会場はそのホールでした。なかなか重厚な造りで、落語のような演芸よりも、クラシックやジャズのコンサート向きのような設備です。

いやそうではない、ここはもともと説教のためのホールだったそうです。教会のようで教会ではない。特定の宗教に囚われないで精神文化を語り広めるる場だったのです。

ホームページを見ると、「実業家で後に東洋大学学長を務めた大倉邦彦(1882-1971)により昭和7年(1932)「大倉精神文化研究所」の本館として創建されました。」とあります。そうか、大倉山という地名駅名もここから来てるんですね。

しかし大倉山駅から降りて、この会場に着くまでに長い急坂を上って行きます。周囲は住宅地でこの山の上の大倉山公園まで住宅が立ち並んでる。さぞかしここに住んでる人は足腰が鍛えられることでしょう。

開演少し前に着くと何だか異国風、ムスリム風ないでたちの子供たちがちらほら。この子たちも今日の観客なのかな?そして開場したのでホールの中に入りました。しっかりと高座と座布団も設えてあります。

まず楽屋を訪ねて松太郎師匠の顔を見てから席を確保しました。すると外で待ってた子供たちも入って来ました。そうか切り絵のお土産がもらえるからそれが楽しみかもしれません。

そして開演でまず松太郎師匠が登場、ギターを持って弾き語り調の漫談。浅草で生まれて芸能との関わりについて語ってました。どうやらその頃は日本の芸能よりもカントリーミュージックなど、アメリカから来た音楽に魅せられてたようです。

30分くらいの語りの後に、石川家。夫婦漫才のコンビでした。漫才を初めて1年そこそこだが、もう旦那の方は還暦を回ってる。自ら下手糞と言われてると言ってました。上手い下手という目で見るのはやめましょう。彼らの年輪から滲み出てくる味を味わうという視点で見てました。

仲入りがあって高座前のマイクが外され、再び松太郎師匠が着物で登場、今度は講座の座布団に収まりました。そして演し物は落語ではなく切り絵です。

寄席の紙切りと切り絵とは何が違う。このあたりに松太郎師匠のこだわりがあるようです。先日鈴本で林家正楽師匠の紙切りを見てましたが、客席からのお題を受けて、10分そこそこの持ち時間で4作5作位切ってしまいます。

でも切り絵はもっと丁寧に切るからそんなに沢山はできない。そして一つの作品の中に細かい細工の部分を入れるのが、柳家の流儀ということを言ってました。女の横顔に睫毛をつけるというのもその一つでしょう。

客席からのお題を受けて紙を切るという芸は、フランスにもあるそうです。でもそれはかなり様子が違い、フランス流はシルエットとして映し出した図柄をみながら切ってゆくという流儀だそうです。

そんな松太郎師匠も今日は簡単では済まなさそうです。最前列でみているのが異国の子供達。とは言っても日本で教育を受けてるんでしょう。日本語は全くのネーティブで、出てくるリクエストは今の日本人の普通の子供と同じ。

ドラえもん、ミッキーマウス・・・・でも普段は大人を相手にしている松太郎師匠にとってはかなりの難題と見受けられました。それでも頑張って作ってしまうのがプロの芸なんですね。

そうかと思うと、スマホに映し出されたバラの映像を見せられて、それをそのまま切る。さっき紹介していたフランス流の切り絵のようなお題が出てきてこれも苦闘。

あとは阿波踊りとか日本ダービー。日本ダービーのお題では、切ったものと切り屑とを重ねるという、ちょっと洒落た演出も見せてくれました。そして気がついたらもう2時間の公演時間が迫ってました。

帰路に着いた時気になったのがこの大倉記念館の由来です。もちろん来るまで知らなかった。帰ってからホームページを見たら、30分のドキュメンタリーとしてテレビ番組に取り上げられた動画がありました。これを見てこの創健者の大倉邦彦という人の、日本人としての精神文化を継承したい強い想いを知ったのでした。

ここは多くの蔵書がありますが、図書館だけでなく、周囲にはいくつもの修練場などがあり知識だけではなく修練を積むこともできるような環境だったとのこと。でも今では横浜市に寄贈されて、すっかり市民活動で使われる公民館のような施設になってました。

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