文治扇治二人会 池袋演芸場 3月27日(水)

今月2回目の池袋演芸場です。プログに書きそびれてしまったが、23日は菊之丞柳朝二人会。そして今日は文治扇治二人会です。桂文治師匠と入船亭扇治師匠のお二人です。チラシを見ると第58回。ずいぶん続けてきた会のようです。

少し早く着いたので早飯とカフェでの時間調整。春分も過ぎて日は長くなり18時近くなってもまだ日が出てるようです。そして晴れてるのに空がもや〜〜っとしてる。どうやら杉花粉に加えて、黄砂も飛んできてるということです。

23日の二人会は開場前から列ができてほぼ満席だったが、今日はいかに。入場してみるとほぼ半分くらいの入りでした。入り口でもらった番組表を見ると、文治師匠、扇治ともに2席ずつ、全て根多出しがしてありました。18時に入って15分

もしたら二番太鼓が鳴り、えっもう開演なの。。。

まずは前座の開口一番で、柳家小ごとさん。何だか気になる風貌です。あのプロ野球日ハムの新人の清宮選手に似てる。でもこのように一目で記憶に残る天性の風貌は芸人さんとして幸せですね。大いに今後の成長の後押しをしてくれることでしょう。そう言えばこの人、23日の二人会の時にも楽屋入りしてたのを見かけました。今日の演目は『道灌』でした。

さてまず扇治師匠が出てきました。演目が『寿限無の稽古』、新作だそうです。これは落語家が師匠に稽古をつけてもらう光景を、そのまま落語根多にしたものでした。今日の池袋演芸場の昼席が「落語協会新作台本まつり」ということなので、それにちなんでまずは新作でご機嫌伺いということでしようか。扇治師匠は昼席でも高座を務めてるのでした。

この噺、もちろん初めて聴く根多だが、演題が「寿限無の稽古」と言いながら、寿限無の中身は出てこない。要は真打になった落語家に対して、師匠が基本が大事ということで、「芝浜」とか「文七元結」というような大根多ではなく「寿限無」を稽古するというものでした。

続いては桂文治師匠の一席目。演目は『味噌蔵』、これは真冬の噺なのでその時期になったつもりで聴いて欲しいと一言。そしてこの噺といえば、先代文治の十八番でもありました。現文治師匠の師匠です。

この噺の主人公は味噌問屋の吝屋けち兵衛さん。とにかく吝いのです。出すものは舌ぁ出すのも御免被りたい、いただきものは何でもいただく。片方だけの下駄を拾って、鼻緒を羽織の紐にするってな塩梅です

そして歴代の桂文治といえば皆んなケチだったようで、そのケチぶりを紹介。そんな吝して財産貯めても地獄には持ってゆけないんだよ。そして本題へ。扇治師匠の静かな落ち着いた語り口とは真逆のスタイルです。声もデカいし仕草も大袈裟。相変わらずの文治師匠です。でも話の台本そのものは、師匠から譲り受けたであろうものをそのまま受け継いでいました。

仲入りがあって文治師匠の二席目です。今日の根多出し演目は『長命』です。とにかく女性の一番の魅力を発揮するのは後家さんになった時。そんな想定でお店の美しい娘が3度も婿入りしてきた若旦那と死に別れる。「短命」です。それを聞いてた八っぁんが、家へ帰って女房と差し向かいで飯を食うが、女房の顔を見て、あぁ長命。

この噺は『短命』という演題で語られることが多いようです。でも今日はあえて「長命」こんなところでも縁起を担いでいるのでしょうか。

そして最後が扇治師匠の『お見立て』です。扇治師匠が駆け出しの頃は、寄席に通ってくるお客の中に実際の廓に通った経験のある人もいたそうです。そこで昔浅草の裏手に吉原という・・・なん話し出すと、そんな客から「お前廓で遊んだことがあるのか?」と声が上がったそうです。

でも今の時代は大丈夫。生の廓を知ってる人なんて、もう85歳位になっているので、そんなに寄席でも見かけることはないでしょう。噺家も知らない、客も知らない状態だから、廓話はイメージの世界です。

でも男と女の情の絡み合いは古今東西変わることはない。好きな人は好き、嫌いな人は嫌いでした。その喜瀬川花魁の演技がこの話の聴かせどころですね。いつの時代も自惚れの強い男は、女から嫌われても気が付かないものです。

扇治師匠は比較的淡々とした味付けで聞かせてくれました。自分のほろ苦い青春時代と重ね合わせながら聴くと、この話の味わいが出てくるのでした。

終演は21時丁度。今日は両師匠が比較的重い話を二席ずつ、たっぷり聞かせていただいた気分でした。

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