国立演芸場5月中席 落語協会真打昇進披露 5月18日(水)

0518kokuritsu012016年3月の落語協会の真打披露公演、鈴本を皮切りに各所を渡り歩いてこの国立演芸場5月中席が最後になります。そして今日は贔屓の林家彦丸さんの日です。

たまたま今回は5人の内3人が贔屓の人。ようやく都合をつけて彦丸さんの日に駆けつけることができました。既に林家たけ平さんのには参加したので、あとは台所おさんさん。これは来週のちとしゃん亭でということになります。

伊勢志摩サミット直前の厳戒警備の中、国立演芸場へ着くとまず目立ったのが、「林家彦丸」と書いた真新しい幟です。初夏の日差しの中で輝いていました。前座二つ目の時から贔屓にした人の晴れ舞台を見るのは、何か特別の感慨があります。

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でも心なしか客足が鈍いような。とにかく3月からほぼ毎日の公演。この全てが客で埋まるというのもなかなか大変なものがあります。

そして開演で開口一番は、金原亭小駒さん。つい先日まで小駒は別の人が名乗っていたが、昨年真打昇進して龍馬に改名していました。すぐに次の人が継承したのでした。ちょっと頼りなさそうだが、親しみも感じる風貌。ペットの話から入った噺は『元犬』でした。

次が柳家花ごめさん。柳家花緑師匠のお弟子さん、女性です。丸い、角のない風貌で一生懸命演じてくれたのが『壺算』でした。壺屋の店主の頭が混んがらかった表情が面白かったですね。

次が林家木久蔵さん、息子さんの方です。やっぱりこの人はどうしても、笑点出演の親から引き継いだ馬鹿のイメージが付きまといますね。それでも真打昇進と二代目木久蔵襲名から9年になるとのこと、時の移り変わりは早いものです。そして最近の落語界の傾向として、女性の入門希望が増えて、楽屋の雰囲気が変わったという話。

そして今日の彦丸さんの披露口上の司会いうことで、少し長めの時間をもらってるのかな。マクラでのよもやま話が長い。そして本根多は『看板のピン』でした。

続いては林家二楽さんの紙切りです。まずはご機嫌伺いの「桃太郎」、そして客席からのお題は「隅田川」「お祭り」「宝船」でした。とにかく客席のあちこちからお題の要求が飛ぶ。「あたしは聖徳太子ではないんです。。。」、てな塩梅。そういえば「宝船」は以前この人にリクエストして切ってもらった覚えがありました。

次が五明楼玉之輔師匠です。この人は中堅真打クラスと思ってたら、もう落語協会の理事なんですね。会長の柳亭市馬師匠もまだ50代ということで、定年なしの落語界としてはずいぶん若返った世界です。でもその上に亡霊のようなご意見番がたくさんいることは想像に難くありません。

それはともあれ玉之助師匠、今日の演目は『宗論』、阿弥陀様とイエス様との競演でした。ひと暴れして下りて行ったというところでしょうか。

そして仲入り前は鈴々舎馬風師匠です。最近この人の高座を見るのは昇進披露か襲名披露の時が多い。その時にはよもやま話に終始して、噺根多を語ることはありません。今日もそのスタイルでした。

話したのが大昔の志ん生、先代小さん、そして先代三平、各師の酒にまつわるエピソード。昭和の名人達の残した芸人の生き方ですね。そして高座にあまり時間を取ることもなく下りて行きました。

仲入りがあっていよいよ昇進披露口上です。左から司会の林家木久蔵師匠、五明楼玉之輔師匠、そして主役の林家彦丸さん、いや、もう師匠と呼んで良いのですね。そしてその師匠の林家正雀師匠、そして落語協会最高顧問の鈴々舎馬風師匠という顔ぶれです。

真ん中の彦丸さん、ただ下を向いてるのではなく客席に目をやり、何か挑戦的な表情です。晴れの舞台で気合いが入ってるようでした。

次が漫才ですず風にゃんこ・金魚さん。いつも思うのだが、ここまでやるかというのがこの二人の芸風です。そして最近は金魚さん、いつも手作りの被り物を頭に乗せて登場します。今日は富士山と新幹線でした。

そしていつものゴリラの演技に会場からバナナの差し入れ。隣に座ってた人が席を外してしまった。本当にここまでやるかの芸でした。

次が彦丸さんの師匠の林家正雀師匠。今日は愛弟子の引き立て役です。演目は『鼓ヶ滝』です。西行法師の歌の修行という、短いが格調高い噺でした。それをさらに急ぐように演じてその後、踊りを披露。「松づくし」ということで、今日の披露公演を祝う意味を込めたようでした。最後に三本の扇子を両手と右足に開いて決めていました。

最後の彦丸さんまでの間にもう一つ、鏡見仙三郎社中の江戸太神楽。暫く見てなかったら新顔?鏡見仙成さんというそうです。調べたら2014年入門ということなのでまだほやほやのようです。そして五階茶碗を演ってました。それも含めて、傘回し、土瓶回し、笠の取り分け。土瓶回しは相変わらず師匠の銑三郎さんの独壇場のようですね。

そして最後が林家彦丸師匠の登場です。今日は会場のあちこちから「待ってました!」の声がかかります。おそらく応援団、追っかけも多く来てるに違いありません。今日の演目は満を持しての『紺屋高尾』です。言葉の一つ一つを噛みしめるような調子で語ってゆきました。踊りはなかった。

0518kokuritsu06この人がこれからどんな芸風を確立してゆくのかな。追っかけファンとしては大変気になります。でも少なくとも爆笑型の芸風は似合わない。あの踊りの腕前や、鹿芝居で見せてくれた町娘の役柄のセンス。きっと落語を通して日本の伝統芸能の魅力伝える、エバンジェリストのような芸を見せてくれるのかな、と勝手に想像するのでした。

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