国立演芸場 2月中席 鹿芝居「品川心中」 2月13日(土)

0202kokuritsu01この5年間、この国立演芸場の鹿芝居を毎年観に来ています。そして今年もいつも変わらないメーバーでありました。そして今年のテーマは『品川心中』なのです。

0213shikashibai02 0213shikashibai03いつもの通り開演30分前に入ると、客はみな昼食の弁当花盛り。しっかりと腹ごしらえしています。今日はほとんど満席だったはずなのですが、運良く3列目の席を確保。開演を待ちました。

開演して開口一番は林家あんこさん。林家しん平師匠のお弟子さんで、まだほやほやの前座さんです。女性です。一生懸命演じていました。演目は『転失気』でしたが、聴いているうちにほんわかと幸せな気分になってきたのは自分だけなのか。

続いては林家彦丸さん。贔屓の噺家さんの一人です。この3月から真打昇進を果たして、実におめでたい彦丸さんです。演目は『たらちね』です。これは前座がずいぶん扱う根多だが、やはり真打になる彦丸さんは一味違います。でも惜しいことに持ち時間がなかったんでしょうか。かなり端折っていました。

次が昨年真打になった金原亭馬治さんの番です。でも演目は『牛ほめ』。また前座噺に戻ってしまいました。でも今日のメインは最後の鹿芝居。それまでの繋ぎの芸と考えれば大根多が出てくるのは考えづらいものがあります。

そして次が蝶花楼馬楽師匠です。演目は何と『長屋の花見』。昨年までの鹿芝居のつかみに組み込まれる根多で、いつも馬楽師匠は大家さん役ばかりだったではありませんか。ちょっと季節を早まった「長屋の花見」ということは、今日の鹿芝居での馬楽師匠の役はこれまでとは違ったものになるということのようです。

次がハル&ヨノの漫才。初めて見るコンビと思いきや、金原亭世之介さんと古今亭菊春さんのコントでした。今日は落語がないので、コントと獅子舞で見せる役割です。

まず世之介さんが登場してマジックショー。ちょっとそれらしい雰囲気を出してから菊春さんが出てきて壊してしまうという展開でした。

続いて林家正雀師匠です。拡張の高い話が始まるようです。有馬温泉近くの滝と言えば『鼓ヶ滝』。これは歌人西行法師の修行時代の話です。今はチョロチョロの滝になってしまったようだが、西行の時代の鼓ヶ滝は、鼓を打つような立派な滝だったようです。そして正雀師匠の語りで、何か高貴な味わいを感じるものになりました。

そして今日の最後の落語は金原亭馬生師匠です。ゆっくりとした語りで入った噺が、下心あって清元のお師匠さんのところに押しかける。稽古の場面では鳴り物が入り、そのお師匠さんのやりとりがなんとも粋なんです。お江戸の香りです。これぞ馬生師匠の持ち味というべきか。演目は『稽古屋』でした。

昔の志ん生のCDを持っているが、今ではこの根多はほとんど演る人がいないのかもしれません。それはそうでしょう。現代人は清元なんと言ってもピンとこないのですから。

仲入り前はおめでたい獅子舞。今年もこの役割は金原亭世之介さんと、古今亭菊春さんです。途中おかめが出てきたが、これは誰なのかな。

舞台で舞った後客席へ出て、病気回復で客の頭を噛んで、そのお礼の大好物のお札や熨斗袋をたらふく食べて舞台に戻りました。めでたしめでたし。

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20分というたっぷりの仲入りの後、いつもの富嶽三十六景の緞帳が、気がついたら歌舞伎の定式幕に変わっていました。いよいよ始まる今日の大喜利鹿芝居『品川心中噂達引』の準備が整いました。やがて黒子が出てきて拍子木を打つ。誰が打ってるのかよく見えないが、あんこさんなのかな。。

幕が開いて最初の場は親方の部屋、若い衆が二人(金原亭馬玉・馬治)寝そべっていて、親方の酒の肴を食ってしまう。そこに女中(古今亭菊春)が現れる。そこに親方(金原亭馬生)が、花道、ではない客席から登場です。そこでは時事根多をたっぷり組み込んだギャグを飛ばしまくっていました。五郎丸選手のルーチンまで出てきたのです。

そしてようやく主役の金蔵(金原亭世之介)が出てきて、これから品川の白木屋お染のところへ行くという。そして品川の遊郭の場になって出てきたのがお染で演じるのが林家正雀師匠なのです。

これまでの正雀師匠は女形ばかりでしたが、どちらかというと地味な役。でも今日は違います。盛りを過ぎた花魁という、実に派手な役柄です。一緒に時出てきた白木屋の若い衆は林家彦丸さん。今年は娘役から脱却してました。

ということでこれまでと同じパターンの役どころで、客に固定観念を植えつけかけていたのを、今年はガラリと印象新たにしてしまいました。それにしても正雀師匠のお染は凄い!

話が進んで金蔵が親方の家に帰ってくる場面、でもさすがに与太郎がはばかりに落ちてまた上がってくる場面はなかった。そして今日の筋書きは上で終わるのではなく、下の金蔵の仕返しのところまでありました。

その最後の場面で正雀師匠のお染がますます凄くなる。髪を剃って坊主になった頭で花魁の装束。これは異様としか言いようのないものでした。それに比べて菊春さんの女形は、今年は普通に見えました。

終わってから今日の出演者全員がメイクを落とさずに見送りに出てくる。これも毎年恒例の光景です。出演者の皆さんサービス精神旺盛で、今年も大いに楽しませていただきました。

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