国立演芸場 2月上席 三遊亭小遊三主任 2月2日(火)

0202kokuritsu01平日火曜の真昼間から寄席に行く人は、余程の暇人か、金持ちか、家にいられない事情のある人。自分がどれに当たるかはわからないが、多分暇人なのかな。でもそう言いながら、国立演芸場では真昼間に毎日興行が行われてます。上野鈴本や新宿末廣亭、そして池袋演芸場も然り。

0202kokuritsu03 0202kokuritsu04 0202kokuritsu02今日の目当ては三遊亭小遊三師匠。あの笑点で水色の羽織を着て出演している人です。ネットで国立演芸場の予約状況を見ると空席が目立つ。そこで今日は予約せずフリーで出かけました。

でも空いてるのかなと思いきや、開演前にはかなりの席が埋っていたのです。同じことを考えて事前予約なしで来た人がかなり多かった様子です。

そして開演で開口一番が、三遊亭遊かりさん。贔屓の三遊亭遊雀師匠の一番弟子です。そして女性です。でも聴くのは2回目でした。これからどのような芸風に染まってゆくのでしょうか。何だか春風亭ぴっかりさんと重ねてしまいます。演目は『新聞記事』、入ったところが天ぷら屋のアレでした。

次が最近売り出し中の若手講釈師、神田松之氶さん。現在講釈師の6割は女性というが、今日は講釈が二席あるが、いずれも男です。さてその一席目です。

心技体全ての要素を備えた偉大な横綱といえば谷風梶之助。その弟子の雷電為衛門といえば、誰もが知っている史上最強と言われる相撲取りです。今日はその初土俵の噺でした。

続いてはナイツの漫才です。初めて聴くコンビだが、一昔前のサラリーマンのいでたち。あまり極端に羽目を外すことはしないようです。スターウオーズやSMAPの芸能根多で笑いを取っていました。

次が桂枝太郎さん、マクラは義太夫の掛け声の話、「どうした、どうした」。そこから『寝床』に入って行ったが、仲入り前なのに随分大根多を掛けるんだな。そんなに持ち時間あるのかなと、余計な心配。
見せ場は旦那の語りの場面でした。枝太郎さん、顔を真っ赤にして唸っていました。下りた後の高座返しのときに、マイク前の舞台に汗が飛んでたらしく、前座さんが手ぬぐいで拭いていました。本当に熱演だったのです。

続いては三遊亭遊馬さん。この人随分大柄のはずなのだが、久しぶりに見ると随分スリムになったようです。枝太郎さんの熱演の後は、何か落ち着いているという空気です。天下泰平の空気です。演目は『転失気』これまた実に平和を感じる根多でした。

次は講談二席目で神田松鯉先生です。講談でもこれを演れば必ずウケるという根多の筆頭は「忠臣蔵」。でも「忠臣蔵」にもいろいろあります。まずは「本伝」、そして討ち入りに参加した赤穂浪士それぞれ個別の話が「銘々伝」。更に討ち入りには参加してない人のエピソードが「外伝」。このようにして「忠臣蔵」にまつわる伝記はたくさんあります。今日の演目は、『天野屋利兵衛』という外伝でした。天野屋とは赤穂浪士の討ち入りに協力した義商とありました。

仲入りがあって幕が開くと、そこは色とりどりの照明に照らされた舞台。瞳ナナさんのイリュージョンの始まりです。まずは中国のマジックで「変面」。被っている面を瞬時に変えてゆく技、まさに瞬間芸。なかなか魅せてくれます。そして最後は素顔になリました。

アシスタントも登場して箱の仲に隠れて瞬間入れ替わりなど、寄席の手品とは一味違うスケールのあるイリュージョンを見せてくれました。

続いては山遊亭金太郎師匠。出囃子も金太郎の童謡そのままです。以前一回池袋で見てました。その時は桃太郎師匠と競演でした。弟子のくま八さんは以前、夢吟坊で見たことがあるのですが。

金太郎師匠、ネットの写真で見ると頭は黒。でも今日は綺麗な白で出てきました。独特の語り口で、今日の演目は『長命』。これは「短命」という演題の時もある。よく聴きこむと、噛めば噛むほど味のある芸風ですね。

続いてはザ・ニュースペーパーのコント。このグループも初めて見るものです。髪は七三に分けて付け鼻で出てきた。何と共産党の志位書記局長に扮していたのでした。その語り口はリアルすぎてコワい。迫真のパロディです。続いてオバマ大統領に扮した人が現れました。これは何かボケている。

調べるとこのグループは9人で構成されていて、政治の風刺を得意とするようです。今日はそのうちの二人が出演していたのでした。

そして最後がお目当ての三遊亭小遊三師匠です。マクラで落語家がいくつ位の噺をすぐ演じられるのかということ。これはファンとして常日頃疑問に思ってることです。30くらいの話をいつもできるようにしているのが通り相場のようでした。

そして幇間の話から本根多に入って行きました。遊び飽きた暇な若旦那が出てきたので『幇間腹』のようです。軽い噺なのでたっぷり時間をかけながら演じていたようです。

この噺ではだんだん幇間の一八に感情移入してきます。最後は若旦那はずいぶん薄情な。祝儀もあげないで帰ってしまうの、ってぇ塩梅です。

0202kokuritsu05そんな話に間延びを感じさせないのが小遊三師匠の味なのでしょうか。軽くそしてあと腐れも余韻もなく、笑って終わったらさっと忘れる。まさに落語本来の境地。小遊三師匠の世界でした。

今日は実にさっぱりとした時間を費やした国立演芸場でした。

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