三代目三遊亭圓歌 一周忌追善落語会 国立演芸場 4月22日(日)

あのやまのあなで楽しませてくれた三遊亭圓歌師匠が亡くなって丁度一年。今日はその追善落語会です。とにかく圓歌師匠の話しは生で聴いても録音で聴いても面白い。そしてその一門を見ると沢山のお弟子さんも育てていたのでした。

今日の落語会は国立演芸場で二部構成、その後半の方でした。開演が17時ということで変則スケジュールです。だいぶ日が傾いた時刻に会場に到着しました。

入り口には「満員御礼」の立て看板、相当賑わいそうな予感です。そして会場に入ったらもう大部分の席は埋まってました。贔屓筋や一門の関係者なども多かった事でしょう。そして緞帳には三代目三遊亭圓歌の文字が映し出されてる。

    

やがて開演で幕が開くと、一門の人たちが並んで、総領弟子の三遊亭歌司師匠の口上が始まりました。そこでいきなり大ニュース。それは歌之助師匠が四代目圓歌を襲名するという事でした。そこで会場にどよめきと拍手が起きたのでした。後方の席だったのでよく見えなかったが、前列中央に位置していた歌之助師匠、心なしか涙ぐんでいたようです。

口上が終わってから一度幕が下り、再び空いて三遊亭歌実さん。歌之助師匠のお弟子さんで師匠と同じ鹿児島県出身。そして高校野球で有名な鹿児島実業だそうです。それで歌実という名前なんですね。演目は聞いたことのない話。でもこの一門は創作根多が多いから無理ありません。後から演目表で確認したら『KPA』でした。

続いて三遊亭美るくさん。この人は歌る多師匠のお弟子さんですね。演目は古典で頑張って『たらちね』でした。

次が三遊亭歌奴師匠。先日鈴本のトリで見たばっかりです。まだ浅い上がりなのであまり重い話はないことでしょう。相撲の話から『佐野山』。横綱谷風の人情八百長相撲の話でした。

そして三遊亭歌る多師匠の登場です。ちょっと変わった柄の着物を着ている。何と圓歌師匠の長襦袢の生地を使ってるそうです。でも圓歌師匠の体形はミニチュアサイズなので、パッチワークのように他の生地を継ぎ足して仕立てたとのことでした。

そして演目は、地噺ということで『西行』。これもかつては圓歌師匠の得意根多だったんですね。晩年は聴くこともできなかったものです。

次が三遊亭若圓歌師匠です。若圓歌といってもあまり若くは見えません。この人も圓歌師匠から譲り受けた着物をで出てきてました。でも自分だけは仕立て直しをする必要はなかったと、自虐的なひとこと。そして演目は何と『授業中』。そうです、あまりに有名な「やまのあな」でした。

そして仲入りとなって、やがて後半の始まりです。会場の照明が消えて真っ暗になりました。響いてくるのが圓歌師匠の出囃子「二ツ巴」、実に調子の良い響きです。そして遺影が映し出されて、『中沢家の人々』の一部の録音が流れてきました。そこで暫し笑ってから、再び真っ暗になり次は一門の代表による対談です。

舞台が明るくなると、歌扇さん、鬼丸さん、歌奴さん、歌る多さん、若圓歌さん、歌之助さんが少し間を置いて座ってました。歌奴さんが司会をして一人一人が亡き圓歌師匠の思い出話をしてました。

それぞれ居並んだところを見るにつけ、実に芸風が多種多彩であることに気がつきます。そして創作派が多い。これが圓歌一門の特徴なのでしょう。

そして再び落語で、三遊亭歌扇さん。まだ二つ目なのに仲入り後に登場することにちょっと遠慮。演目は創作でピザの話。やっぱりピザは向島に限ると、「目黒のさんま」の向こうを張ってました。

続いて三遊亭鬼丸さん。一周忌追善というのに、来ている羽織の色は蛍光色。そして黄色の足袋。名前の通り、一門の鬼っ子のようです。そして演目は『新岸柳島』。でも舞台は乗合船ではなく現代の地下鉄の電車。聴いていて『岸柳島』を思い浮かべて、あとから演目表を確認したら、本当に「新岸柳島」でした。

そして今日唯一の色物で、大瀬ゆめじ・うたじさんの漫才、ではなかった。うたじさんだけだった。もう随分前にコンピ解消と聞いてたので、またよりが戻ったのかなと期待しましたが、この案内チラシはフェークでした。やっぱり一人だけだったのです。

最近は何度か浅草東洋館で見かけたとき、内海桂子師匠の脇で締め太鼓を叩いていました。その鳴り物を持って舞台に上がってきたのです。パーカッションもどきの意味不明の打楽器。でもそれを叩いて聞かせてくれました。

そして最後が今日の主役、三遊亭歌之介師匠です。とにかく四代目圓歌襲名で一気に注目を浴びることになりました。しかし調べると歌之助師匠はもう還暦間近。長寿化時代で三代目も長生きされたので、この襲名も遅咲きの桜と言えるでしょう。

先日鈴本での歌之助師匠は、歌と古典落語は下手だと言ってたので、よもや古典の大根多はないだろうと思ってましたが、出てきたのが『坂本龍馬伝』。でもその話の展開は脱線に次ぐ脱線。そういえば昭和の爆笑王、あの先代林家三平師が、こんな調子で「源平盛衰記」を語ってたのを思い出しました。

「坂本龍馬伝」、それだけならば1分で語れるものを延々30分。その時間の無駄こそが笑いの源泉なのでした。

三代目圓歌師匠を懐かしむ気持ちと、四代目圓歌師匠誕生を祝う余韻を残して、今日の公演は終わりました。

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