「神田神保町文化寄席」東京堂ホール 11月3日(木)

1103bunkayose01今日は文化の日の休日。文化勲章受勲者も出たようですが、こちらの興味は専ら落語です。休日の落語会は昼間の時間帯が多いが、この「神田神保町文化寄席」も昼間です。

主催は「伝承話藝を聴く會」ですが、いつもと少し違う。今日は番外の匂いがします。でも出演者は同じ、柳亭小燕枝師匠、宝井琴柳先生、桂藤兵衛師匠に加えて、紙切りの林家楽一さんが加わっていました。そして開演はいつもより早い13時に設定されていました。

1103bunkayose02 1103bunkayose03 1103bunkayose04今日の神保町のすずらん通りは雲ひとつない上天気。でも11月になって太陽の位置も低くなり、昼時でもすずらん通りに日が当たることはありません。
さて会場に到着すると、12時半開場のところもう開場されてました。でも客足はまだちらほら。最前列の席を確保できたのでした。

チラシを見ると、今日は根多出しされてない。いつもならチラシに今日のすべての演目が書いてあるのだが、これもいつもの「伝承話藝を聴く會」と勝手が違うところです。

そして13時になって開演です。まずは開口一番が柳亭小燕枝師匠です。上がってきていきなり、インフルエンザの予防接種を受けて4日後に風邪を引いた。でもインフルエンザの予防接種が効くまでは2週間くらいかかるから、間が悪かったんですね。

そこで今日は軽く演って後に控える桂藤兵衛師匠にたっぷり演ってもらうとのこと。そして今日何を演ろうかを決めないで上がってきたようです。「粗忽長屋」をリクエストしたが外れてしまいました。

そこから先代小さん師匠が弟子に稽古をつけるやり方などの話、そして入ったのがあまり聞いたことのない噺でした。いや、初めて聴く噺ではない。聴いた覚えもある。

意固地な八五郎に意固地なご隠居。50円を借りる返すの押し問答。そこにまた意固地な倅が出てくる。後から主催者に演目を尋ねたら、『意地比べ』でした。さらに当ブログの過去記事を見たら二度も聴いていた。いずれも小燕枝師匠でした。やはり演り手の少ない噺なんですね。

続いて高座に釈台が置かれて、宝井琴柳先生の出番です。マクラは師匠につけてもらった稽古の話。琴柳先生は何人かの師匠についたということです。元の師匠は小金井芦州師ということだが大きな影響を受けたのが五代目、六代目宝井馬琴師のようです。そんな話から入った噺が『笹野権三郎の海賊退治』でした。

何だか落語根多の「三十石」を思い出させるような状況描写。瀬戸内海を通って小倉へゆく道中で、海賊の襲撃を受けそれを槍の名手笹野権三郎が退治する話でした。これは笹野権三郎名槍伝シリーズの一つの話です。講釈にはこのようなシリーズものが多く、昔の人はこのような話を夜な夜な続きものとして寄席に足を運んで聴いたものでしょう。

そこで仲入りがあり、その後は林家楽一さんの紙切り。まだ若い。それでもなんでも注文を受けて切るという。お手並み拝見です。

まずは横綱土俵入りでご機嫌伺いしてから、リクエストを受け始めました。こういう時に限って困らせてやろうという客が現れます。出て来たリクエストが、市松模様のオリンピックエンブレム。さすがに困惑の表情です。でもそこは芸人魂で負けてたまるか。頑張ってそれらしいものを切ってしまいました。

そして一言、できないものもあります。それは「101匹わんちゃん」一匹ずつ全てとか、「千手観音」の全ての手、さらに「AKB48」全員のようなものはできないそうです。いや、できないのではなく時間がかかり過ぎてしまうのでした。

そんなひと時の後、トリは桂藤兵衛師匠です。やはり風邪気味だそうなのだが、先に小燕枝師匠から『らくだ』を用意してるようだなんてけしかけられて、その気になったそうです。さすがにこういう大根多は演る前には準備をするのでしょうが、いきなり思いつきで始める羽目になったようです。少しヤケになって、「えーいやってしまえ」の構えです。

でもその構えで実に迫力満点。屑屋の開き直りの場面などは、実に聞き応えがありました。でも願人坊主と火屋の場面までは行かなかった。その前で下げて終わったのでした。いくつか間違えたなんて言っていましたが、そうだったのかな。。。

ということでいつも根多出しできっちりと終わる「伝承話藝を聴く會」でしたが、今日はいつもと違う、ハプニング続出の文化寄席でした。こんな一期一会の出会いを楽しむのが、落語の究極の楽しみ方。でもこんなことを言うと異論を吐く人もいることでょう。世の中には落語鑑賞を芸術鑑賞のような発想で聴いている、落語評論家のような人種もいるんです。

1103bunkayose05そういえば今回もらったチラシの中に、気の利いた一品。何と今月の大相撲九州場所の番付表。しかし九州まで見にゆく余裕はないのでした。

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