「国立名人会」国立演芸場 4月23日(日)

今日は国立演芸場での「国立名人会」。これは10日間連続の定席と違って一日のみ。早くチケット確保しておかないとすぐ満席になってしまいます。今回はそれを見越して早めに手当てしたのでした。

今日はいいので歩いて会場まで。も時間の余裕を持って出たので豊川稲荷の茶店で早めの腹ごしらえ。それでも早く着きすぎた。会場に着くと満員御礼の看板が目につきました。

奥の展示スペースを見ながら待つこと暫し。ようやく開場になりました。座った席は前から三列目のまずまずの場所。次第に会場も人で埋まってきました。そして開演。

開口一番は前座の三遊亭歌実さん。一目見て印象に残るキャラです。童顔だが物怖じせず客に向かって噺をぶつけてゆきます。聞けば歌之介師匠のお弟子さんで、鹿児島出身だそうです。そして母校が鹿児島実業高校で、そこ高座名を取ったようです。演目は『元犬』でした。今後の進化を注目したい前座さんです。

続いてが春風亭百栄師匠です。最近多くの噺家さんは頭の上で火山が噴火しそうなヘアスタイルだが、この人は頑としてマッシュルームカットで通しています。

この人の名前の読み方は「ももえ」です。そしてマクラではももえを連発してました。でも「ももえ」と言えば多くの人が思い出すので山口百恵さん。もう家庭に入って幾久しいというのに、その国民的アイドルとしてのイメージは忘れられることはない。その本家「ももえ」さんと競ってるのでしょうか。そして入った噺は『浮世床』。

浮世床という噺は、江戸時代の髪結い床での情景噺です。中身が部品化されて、持ち時間に合わせて組み立てて演じることができます。そして今日は「半ちゃん一つ食わねぇか」でした。待合で待つまでの間のうたた寝、そこで見た長〜い夢の話でした。

次が古今亭菊春師匠の『片棒』。この人は毎年2月中席の鹿芝居でお馴染みなのだが、最近は落語ではなくコントばっかり。そして運動能力を活かした獅子舞。でも今日はそうではなくレッキとした落語です。それも正統的な古典落語根多でした。なんだか聴いていて気合が入っているような心意気が感じられました。

続いて三遊亭歌司師匠の『百川』。そうです、今日は前座以外の全てが根多出しされてるんでした。久しぶりに聞く「百川」、この百兵衛さんの「うっっし!」がどう出てくるかが楽しみ。演者によって大きく違いがあります。歌司師匠はこの「うっっし!」に間抜けな顔表情付きでした。

そしてお仲入りです。今日は満席のためか、二階の待合室は客がいっぱい溢れてます。そしてトイレも行列。でもすぐに後半の幕開けとなりました。

まずはくいつきは三遊亭歌武蔵師匠です。体もデカいが声もデカい。今日の観客も反応が今ひとつのようで、かなり高座で毒づいていました。そして演目は『大工調べ』です。今日は名人会の名売ってるためか、出演者の皆さんトリ根多のような大根多をかけて来ます。

そして聴かせどころの政五郎の啖呵は迫力満点。でも持ち時間切れになったようで、与太郎が大家さんに啖呵を切りそこなったところで終わりました。

続いては三遊亭小円歌さん。久しぶりに見ました。あれ、この人由緒ある名前を襲名したのではと調べて見ると、今年これから二代目立花家橘之助を襲名予定とありました。初代も女性の音曲師だったそうです。

この人は体が大きいためかわからないが、三味線の歯切れがいい。白黒はっきりして、どっちつかずではないんです。東雲節、浮世節などを聴かせてくれたが、その間に下座で太鼓を叩いていた前座の歌実さんを呼んで、横で叩かせるのでした。締太鼓を持って来て歌実さん、なかなかリズム感いいではありませんか。そして締めくくりがかっぽれでした。この人は芸全てが一回りスケールが大きい。大きな動きで魅せてくれました。

変わって最後のトリは柳家小満ん師匠で、演目は『愛宕山』。これは八台目桂文楽の得意根多だったものです。落ち着いた口調で昭和の時代の寄席の空気にタイムスリップしてゆきます。

でもこの噺、最近あまり聞かなくなってきた。狼はとっくの昔に絶滅し、幇間も今や絶滅危惧種。やはり時代に合わなくなってきたのかな。でもかわらけ投げは今でも残ってる。相州大山の大山寺で見かけたのでやらせてもらいました。

ハネてから改めて番組を見ると、今日は三遊亭圓歌師匠の一門が大半です。前座の歌実さんも、歌之助師匠のお弟子さんということで、圓歌一門に違いありません。

帰ってから翌日にその圓歌師匠の訃報の情報が入ってきました。とても残念。でもずいぶん笑わせてもらいました。その一方これだけ有力な弟子を育てたという功績は大きいものがあります。安らかにお眠りください。

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